1. なぜ1980年代を再現しようと思ったのか?
私は1980年代に生まれましたが、実際にはその時代の記憶はほとんどありません。しかし、多くの人々が振り返るときに思い浮かべるのは、あの活気に満ちた1980年代の日本の風景や人物ではないでしょうか?
郊外に住んでいた私の周りでも、お兄さんやお姉さんたちは少し遅れて1980年代のファッションに身を包んでいました。そんな懐かしい時代の雰囲気を、デジタル技術を駆使して現代に蘇らせてみようと思いました。
今回は、温かさと人情味あふれる昭和の夏祭りの風景を再現することにチャレンジしてみました。
2. 再現の流れ
再現にはStable Diffusionを使用しました。現在、多くのAIモデルは「アジア人」という大まかなカテゴリーでトレーニングされていますが、1980年代の日本の女子を再現するには、より細かいプロンプトの指定が必要でした。
イラストモデルの方が細かなディテール再現度が高いため、まずはイラストを生成し、それを元に実写テイストに変換するという二段階のアプローチを取りました。
3. 再現における注意点
1980年代の再現には、当時の流行ファッションを徹底的に調べることが重要です。今回は夏祭りを楽しむ女の子をテーマに、以下のディテールをプロンプトに盛り込みました。
- 髪型: 聖子ちゃんカットの派生で、柔らかくウェーブのかかったカールと分厚い前髪が特徴のボブ。
- メイク: 少し背伸びをしたメイクを意識し、太くて大胆な眉と、はっきりとした口紅を含むナチュラルメイク。
- 服装: 夏祭りらしく、白や薄ピンクの花柄の浴衣を選びました。派手になりすぎないように注意しました。
- 背景: 沿道にたくさんの屋台が並ぶ夕暮れの夏祭りを設定し、温かみのあるオレンジとピンクの夕日で活気を表現。
- アイテム: 綿菓子を持たせてみました。
4. イラストでの生成結果
まずはイラストでの生成結果がこちらです。
イラストでの再現度は非常に高いですね。後ろの露店が縁日っぽくはないですが、、、汗
これを元に実写テイストモデルを適用してみます。
試しにイラストを挟まずに実写テイストモデルを使用してみた結果はこちらです
どうでしょう?プロンプトの雰囲気から大きく離れているのがわかりますか?
ギリギリ髪型が正解といったところでしょうか、浴衣でもないし、、、
このため、細かなディテールを再現するためにはイラスト生成を元にすることにしました。
5. 実写テイストでの生成結果
前述のイラストを元に実写テイストモデルを適用した結果がこちらです。
目力が強い子が生成されました。これはイラストでは目鼻立ちが誇張されて描かれるため、そのままリアルテイストにするとこのようになります。そこで、顔のみを修正してみました。
いかがでしょうか?1980年代の雰囲気にはまだ少し遠いかもしれませんが、それなりに違和感のない仕上がりになったと思います。
6. 最後に
今回は「1980年代の夏祭りを楽しむ女の子」を生成AIを使って再現しようと試みました。
綿飴は変な大きな飴玉になっているし、台湾にある屋台になってしまったり、お見せできたのは数枚の画像ですが、実際にはイラスト生成で1600枚生成し、その中から意図に合った数枚をピックアップしました。そのピックアップしたものをさらにリアルテイストに変換し、ようやく皆さんにお見せできる作品が完成しました。
ここからさらにPhotoshopやGIMPを使ってイラストを加工することで、よりノスタルジックな作品に仕上げることができるでしょう。
夏祭りに限らず、これからも多くの再現を行っていきますが、まずは私自身の1980年代の知識を深めることが当面の課題となりそうです。
次回もぜひご期待ください!
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